月刊JICFuSムービー


スパコンの中のクォーク-素粒子から原子核をつくる

youtubeico2015.11.12
京都大学基礎物理学研究所 青木慎也 教授
Aoki原子核は陽子や中性子で構成されており、電磁気力だけを考えると陽子同士の斥力で一塊にはなりません。それをつなぎとめているのが「核力」です。核力は長い間正体がわかっていませんでしたが、スーパーコンピュータを使った大規模シミュレーション「格子QCD」で、解明の糸口が見えてきました。 京都大学の青木愼也教授、理化学研究所の初田哲男主任研究員、大阪大学の石井理修准教授らは、素粒子物理学、原子核物理学、計算科学の知恵を持ち寄り、「核力とは何か」という難題に取り組んでいます。大規模シミュレーションにより初めて核力を示した研究成果は、2012年度仁科記念賞を受賞するなど高い評価を得ています。 この研究は、計算科学による素核宇宙連携を行う計算基礎科学連携拠点(JICFuS)設立の大きなきっかけともなりました。
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太陽系惑星形成の謎にN体計算でせまる

youtubeico2015.7.13
東京工業大学地球生命研究所 小南淳子 研究員
Kominami太陽系には8つの惑星が存在しており、太陽系以外にも1000個を優に超える大量の系外惑星が発見されています。これらがどのように形成されたのか。東京工業大学地球生命研究所の小南淳子研究員は、スーパーコンピュータ「京」を使い、この壮大なテーマにチャレンジしています。 太陽系の惑星は3種類に分類されます。太陽に近い方から順に、硬い地面を持った小さな地球型惑星、ガスをまとった巨大な木星型惑星、そしてガスが比較的少ない氷型惑星です。系外惑星には、この分類に当てはまらないものも存在します。これら多様な惑星が、どのような物理的メカニズムで形成されたのか。数十万個の微惑星を使ったN体シミュレーションで解き明かします。
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超新星爆発シミュレーションの世界

youtubeico2015.3.30
理化学研究所仁科加速器研究センター 滝脇知也 研究員
Takiwaki巨大星の最後の姿、超新星爆発。この現象は肉眼でも見えるほど明るいため、古くから記録が残っています。鎌倉時代初期に書かれた『明月記』には、かに星雲(1054年)など3つの超新星が記録されています。 超新星は長い間、どのように爆発しているかわかっていませんでした。近年、スーパーコンピュータの性能向上、シミュレーション技術の進歩により、その姿が明らかにされ始めています。理化学研究所の滝脇知也研究員がスーパーコンピュータ「京」など様々なスーパーコンピュータを駆使して見えてきた、最先端の超新星爆発シミュレーションの世界をお楽しみください。
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輻射流体シミュレーションで宇宙の歴史を解く

youtubeico2015.1.5
名古屋大学大学院理学研究科 宇宙論研究室〈C研〉 長谷川賢二 助教
Hasegawaビッグバン直後の宇宙は、電子や陽子などがばらばらに飛び回る電離状態にありました。­宇宙が冷えていくにしたがって電子と陽子が結びつき、約38万年後にはいったん電気的­に中性な原子ができました。その後、銀河や星が形成され、そこから放射される光によっ­て中性原子が再び電離します。これを宇宙再電離と呼びます。このようにして、銀河の形­成史と宇宙再電離は密接に関連しており、これらに注目することで宇宙の進化を読み解く­ことができます。 名古屋大学大学院理学研究科宇宙論研究室(C研)の長谷川賢二助教は、スーパーコンピ­ュータ「京」などを使い、輻射流体シミュレーションによって銀河間物質の電離過程を計­算することで、宇宙再電離と銀河形成史を統一的に理解しようとしています。
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格子QCDシミュレーションで核力の謎に迫る

youtubeico2014.9.3
理化学研究所仁科加速器研究センター 土井琢身 研究員
Doi物質を構成する最小単位である素粒子の一種「クォーク」、そこに働く「強い力」。スー­パーコンピュータを使った「格子QCD」という計算手法によって、それらの性質を知る­ことができます。 QCDは量子色力学(Quantum chromodynamics)とよばれる理論です。たった一つのシンプルな方程式に­より、クォークから陽子や中性子、原子核におよぶ物理の統一的な理解を可能にします。 理化学研究所仁科加速器研究センターの土井琢身研究員は、高エネルギー加速器研究機構­のBlue Gene/Qや筑波大学計算科学研究センターのHA-PACSといったスーパーコンピ­ュータを使い、クォークと強い力の謎に迫ります。
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連星中性子星合体シミュレーションの世界

youtubeico2014.3.31
京都大学基礎物理学研究所 木内 建太 特任助教
Kiuchi非常に高密度な「中性子星」2つからなる連星が合体するときに、何が起こっているのか­。京都大学基礎物理学研究所の木内建太特任助教は、国立天文台のスーパーコンピュータ­「アテルイ」などを用いて、この現象の解明に挑んでいます。 連星中性子星の合体では、さまざまな現象が起こると予想されています。まずは重力波の­発生です。重力波は一般相対性理論の検証に欠かせない、現代物理学最大の関心事の一つ­です。 次は重元素合成。これまで、鉄より重い元素は超新星爆発により合成される説が有力でし­たが、最新の研究では否定的な意見が出始めています。連星中性子星の合体で、太陽質量­の100分の1にも達する大量の物質がまき散らされ、その中で重元素合成が行われるの­ではないかと考えています。 さらに、連星中性子星合体を経由してブラックホールが形成されるといったことも予想さ­れています。
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多体計算の世界 独自の計算法で原子核の謎に迫る

youtubeico2013.10.1
理化学研究所仁科加速器研究センター 肥山 詠美子 准主任研究員

世界最大のシミュレーションでダークマターの正体にせまる

youtubeico2013.4.8
筑波大学 石山智明 研究員
Ishiyama宇宙には、普段われわれが目にする物質のほかに、質量にして5倍ほどのダークマターが存在します。ダークマターの重力進化を解明することは、宇宙の形成過程を明らかにすることにつながります。 筑波大学計算科学研究センターの石山智明研究員を中心とする研究グループは、理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」を用いて、約2兆個のダークマター粒子の重力進化の計算に成功しました。1兆粒子を超す規模のダークマターシミュレーションは世界最大であり、専用のアプリケーションを開発した上で「京」全体の約98%を使用し、実効性能5.67ペタフロップス(1秒間に0.567京回計算)を達成しました。この成果により、2012年11月に米国・ソルトレイクシティで開催された国際会議SC12において、計算科学で最も権威あるゴードン・ベル賞を受賞(プレスリリースはこちら)しました。 ダークマターの重力進化の計算は現在も進行中です。完了すると、現存する銀河のダークマターの微細構造や、成長過程が明らかになります。また、ダークマター粒子の観測方法の改良にもつながります。
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