10次元時空から4次元時空へ-超弦理論で初期宇宙のダイナミクスに挑む

2017.03.03 高エネルギー加速器研究機構 伊藤祐太 研究員

宇宙の誕生直後に起こったとされるインフレーションとビッグバン。近年の宇宙観測によって、このような急速な膨張が起こったことは確からしいとわかってきた一方で、実際に宇宙初期でどのようなことが起こったのか、理論的予測の検証は困難を極めます。高エネルギー加速器研究機構の伊藤祐太研究員は、超弦理論の立場から、スーパーコンピュータ「京」を使った大規模シミュレーションで、宇宙初期の謎に挑みます。
超弦理論では、宇宙は空間9次元と時間1次元の10次元で始まったとされます。宇宙誕生間もなく空間は指数関数的に膨張しますが、そのとき膨張するのは空間3次元だけで、残りの6次元は膨張から取り残されます。やがて3次元空間はビッグバンを起こして冪的な膨張に移り、輻射(エネルギー)が優勢な時代を経て、ダークマターを含めた物質優勢な宇宙が形成されると予測されます。

撮影協力:
高エネルギー加速器研究機構

音楽:「grafik」吉岡亜由美
演出・製作:樋口喜昭、南口雄一

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