スーパーコンピュータ「富岳」で 太陽の自転の謎、解ける

スーパーコンピュータ「富岳」で太陽の自転の謎、解ける
世界最高解像度計算で太陽の自転分布を世界で初めて再現

令和3年9月14日
国立大学法人千葉大学
国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学

「富岳」で再現された太陽内部熱対流の様子。熱対流を表現するのに適したエントロピーという量を示しています。橙、青の部分はそれぞれ暖かい・冷たい領域に対応します。

千葉大学大学院理学研究院の堀田英之准教授と名古屋大学宇宙地球環境研究所長の草野完也教授は、スーパーコンピュータ「富岳」による超高解像度計算によって、太陽内部の熱対流・磁場を精密に再現しました。それにより、太陽では赤道が北極・南極(極地方)よりも速く自転するという基本自転構造を、世界で初めて人工的な仮説を用いずに再現することに成功しました。 本成果では、「富岳」の計算力を用いることで太陽と同じ状況をコンピューター上に再現することが達成できたと考えられます。今後、更なる高解像度計算を引き続き実行していくことで、太陽物理学最大の謎「太陽活動11年周期」の解明に近づくことが期待できます。

本研究成果は、英科学誌『Nature Astronomy』( 13 September 2021)で発表されました。

本研究は、文部科学省「富岳」成果創出加速プログラム「宇宙の構造形成と進化から惑星表層環境変動までの統一的描像の構築(20351188[PI:牧野淳一郎])」および計算基礎科学連携拠点(JICFuS)の一環として実施されたものです。また、本研究は、理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」/名古屋大学のスーパーコンピュータ「不老」/国立天文台天文シミュレーションプロジェクトのスーパーコンピュータ「アテルイII」の計算資源の提供を受け、実施しました。加えて、日本学術振興会の科学研究費の支援を受けました(20K14510[PI:堀田英之], 21H04492[PI:草野完也], 21H01124[PI:横山央明], 21H04497[PI:宮原ひろ子])

くわしくは千葉大学のプレスリリースをご覧ください。
https://www.chiba-u.ac.jp/others/topics/info/post_1007.html

掲載論文

論文誌名:
Nature Astronomy
論文タイトル:
Solar differential rotation reproduced with high-resolution simulation
著者:
H. Hotta, K. Kusano
DOI:
https://doi.org/10.1038/s41550-021-01459-0

問い合わせ先

千葉大学 大学院理学研究院 堀田英之
メール:hotta [at] chiba-u.jp

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