宇宙磁気流体・プラズマシミュレーションサマースクール2014

実習の様子

実習の様子

2014年8月4日(月)~8月8日(金)に千葉大学統合情報センターにて、宇宙磁気流体・プラズマシミュレーションサマースクールが11人の講師のもとに開催され、暑い最中、大学院生を中心に41人の参加がありました。今年はHPCI戦略プログラム分野5が開発を支援している磁気流体(MHD)モデルに基づく高次精度MHDシミュレーションコードパッケージ CANS+、電磁粒子モデルに基づくプラズマ粒子シミュレータ pCANSを用いた実習が行われました。CANS+、pCANSは初心者でも気軽に降着円盤や宇宙ジェット、磁気リコネクション、粒子加速など物質の噴出やX線・ガンマ線放射、激しい時間変動などを伴う天体活動現象のシミュレーションができる共通コードです。

初日の午後と2日目の午前中に基礎となる講義が、2日目の午後からは下記の7グループに分かれ実習が始まりました。
CANS+(流体)
・降着円盤における磁気回転不安定性
・3次元 MHDジェットの伝播による物理量の変化
・ケルビン・ヘルムホルツ不安定
・磁気リコネクションの流体シミュレーション
・パーカー不安定
pCANS(粒子)
・磁気リコネクションの PICシミュレーション
・Weibel instability & numerical Cherenkov

発表会の様子

発表会の様子

最終日の8日午後に各グループの発表会がありました。磁気リコネクションはpCANS(粒子)グループ 、CANS+(流体) グループの両方でシミュレーションが行われ結果を比較しました。粒子は流体より精度が良いですが、結果が出るまでに時間がかかるので、規模を小さくしてシミュレーションしました。流体は計算が速くて軽く、並列化が簡単で大規模構造のシミュレーションが可能なのですが、近似しているので切り落としてしまう効果があります。比較の結果、大まかな結果は同じでしたが、細かいところが異なりました。なお、磁気リコネクションの流体シミュレーショングループは期間中にCANS+を改良して磁気リコネクションの流体シミュレーションコードを開発しました。開発されたコードは最新のCANS+に反映されました。

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