長年の懸案である符号問題の解決に向けて-第10回JICFuSセミナー

2015年6月3日(月)に京都大学基礎物理学研究所にて、第10回JICFuSセミナーが開催され、50名の参加がありました。
今回は、筑波大学計算科学研究センターの谷口 裕介(たにぐち・ゆうすけ)講師が、「QCD phase transition at real chemical potential with canonical approach」と題して、講義を行いました。

今回は、JCFuSセミナーに基礎物理学研究所の素粒子・原子核合同セミナーを兼ねていたため、参加者は50名と大人数でのセミナーとなりました。素粒子理論の研究者だけでなく、原子核理論分野の研究者や大学院生の参加者も多く、活発な質疑応答が行われました。
講義は、研究手法の中心となるカノニカル法の基礎から始まり、最新の研究成果までを丁寧に説明する内容でした。最新の成果として、有限密度格子QCDにおいて長年の懸案であった符号問題の解決に向けた意欲的な試みについての話題がありましたが、まだまだ不明確な点が多く、参加者から多くの質問やコメントがありました。これからやるべき課題も多く、若い研究者の参加を望むという谷口氏のコメントをもってセミナーは終了しました。

JICFuSセミナー(JICFuS Seminor on Non-Perturbative Physics)は、京都、大阪、名古屋、神戸に在籍する格子QCDなど非摂動物理の研究者が中心となって、2013年度から始まったセミナーシリーズです。関連する分野の研究者であればどなたでも参加できます。セミナーでは様々なテーマを取り上げ、講演1時間+質問1時間とたっぷり時間を取って活発に議論していきます。

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