1 線形方程式の解法の選択 概要 †
モデル問題 †境界において, Dirichlet条件を課した, 単位正方領域内部のLaplace方程式 を刻み幅の格子を用いた5点中心差分法 で離散化して得られる方程式 ・・・(1)
を例に, 幾何的マルチグリッド法の概略を示す. 2段グリッド法 †偏微分方程式を離散化して得られる方程式(1)に対してJacobi法やGauss-Seidel法などの定常反復法を適用すると, 誤差の持つ空間的高周波成分が速く減衰すること(平滑化作用)が知られている. このため空間的低周波成分で構成される粗い格子に対応する低次元の方程式 ・・・(2)
を用いて, 方程式(1)の近似解の精度を効率的に改善できることが期待される. この方法を2段グリッド法と呼ぶ. 制限(restriction) †細かい格子上の近似解から粗い格子上の近似解を作ることを制限(restriction)と呼び, 一般には横長の長方行列を用いとする. 制限行列の設定の最も単純な方法はと設定することであるが, 通常は近傍の9点を用い, となるように設定する. 補完(interpolation)または延長(prolongation) †逆に, 粗い格子上の近似解から細かい格子上の近似解を作ることを補完(interpolation)または延長(prolongation)と呼び, 一般には縦長の長方行列を用いとする. 補完行列の設定の標準的な方法としては, とすることである. 2段グリッド法のアルゴリズム †
マルチグリッド法 †
参考文献および参考書 †原著論文 †教科書 †[14] Yousef Saad, Iterative Methods for Sparse Linear Systems, 2nd ed., SIAM: Philadelphia, PA,
2003. [23] Masaaki Sugihara and Kazuo Murota, Theoretical Numerical Linear Algebra, Iwanami Press: Tokyo, 2009, (in Japanese). |