サブ課題B 物質創成史の解明と物質変換

目的・意義

バリオン間相互作用、原子核の構造および核子同士の多体反応、核物質の状態方程式という極微の物理を数値計算により解き明かします。それらの知見を可能な限り取り入れ、超新星爆発や中性子星連星合体という爆発的天体現象を数値シミュレーションにより解明します。そして、宇宙における爆発的天体現象によって生成されたとされる重元素合成の謎の解明につなげます。
現在稼働中の大型実験・観測施設(J-PARC、RIBF、すばる望遠鏡)や、2020年代に本格稼働予定の大規模望遠鏡計画(KAGRA、TMTなど)に必要となる原子核や天体物理学の理論的予言を与え、これら大型実験・観測計画のポテンシャルを最大限に引き出します。さらに原子核多体反応計算を行って、核廃棄物処理に必須の核変換技術のための基礎データの取得に応用するなど、周辺分野へ幅広く貢献します。

構成機関とメンバー

B体制

サブ課題責任者

柴田 大 Shibata Masaru 京都大学基礎物理学研究所 教授

メンバー

格子QCD
土井琢身 Doi Takumi 理化学研究所仁科加速器研究センター 専任研究員
初田哲男 Hatsuda Tetsuo 理化学研究所数理創造プログラム プログラムディレクター
権業慎也 Gongyo Shinya 理化学研究所仁科加速器研究センター 基礎科学特別研究員
土居孝寛 Doi Takahiro 理化学研究所仁科加速器研究センター 基礎科学特別研究員
入谷 匠 Iritani Takumi 理化学研究所仁科加速器研究センター 特別研究員
青木慎也 Aoki Sinya 京都大学基礎物理学研究所 教授
佐々木健志 Sasaki Kenji 京都大学基礎物理学研究所 特任助教
青山龍美 Aoyama Tatsumi 京都大学基礎物理学研究所 研究員
石井理修 Ishii Noriyoshi 大阪大学核物理研究センター 准教授
池田陽一 Ikeda Yoichi 大阪大学核物理研究センター 特任助教
根村英克 Nemura Hidekatsu 大阪大学核物理研究センター 教務補佐員
村野啓子 Murano Keiko 大阪大学核物理研究センター 教務補佐員
石川健一 Ishikawa Ken-ichi 広島大学大学院理学研究科 准教授
金森逸作 Kanamori Issaku 理化学研究所計算科学研究センター 研究員
井上貴史 Inoue Takashi 日本大学生物資源科学部 准教授

原子核構造・反応
清水則孝 Shimizu Noritaka 東京大学大学院理学系研究科 特任准教授
大塚孝治 Otsuka Takaharu 理化学研究所 客員主管研究員
阿部 喬 Abe Takashi 東京大学大学院理学系研究科 助教
角田直文 Tsunoda Naofumi 東京大学大学院理学系研究科 特任助教
角田佑介 Tsunoda Yusuke 東京大学大学院理学系研究科 特任研究員
Javier Menendez 東京大学大学院理学系研究科 特任研究員
宮城宇志 Miyagi Takayuki 東京大学大学院理学系研究科 特別研究員
宇都野 穣 Utsuno Yutaka 日本原子力研究開発機構 研究主幹
本間道雄 Honma Michio 会津大学コンピュータ理工学科 教授
吉田 亨 Yoshida Tooru 高度情報科学技術研究機構 主査

爆発的天体現象
柴田 大 Shibata Masaru 京都大学基礎物理学研究所 教授
諏訪雄大 Suwa Yudai 京都大学基礎物理学研究所 特定准教授
木内建太 Kiuchi Kenta 京都大学基礎物理学研究所重力物理学研究センター 特任准教授
西村信哉 Nishimura Nobuya 京都大学基礎物理学研究所 特任助教
鈴木昭宏 Suzuki Akihiro 京都大学基礎物理学研究所 特任助教
岩上わかな Iwakami Wakana 京都大学基礎物理学研究所/早稲田大学理工学術院 客員研究員
大川博督 Okawa Hirotada 京都大学基礎物理学研究所/早稲田大学理工学術院 客員研究員
山田章一 Yamada Shoichi 早稲田大学理工学術院 教授
住吉光介 Sumiyoshi Kousuke 沼津工業高等専門学校 教授
固武 慶 Kotake Kei 福岡大学理学部 准教授
中村 航 Nakamura Ko 福岡大学理学部 助教
関口雄一郎 Sekiguchi Yu-ichiro 東邦大学理学部 講師
滝脇知也 Takiwaki Tomoya 国立天文台 助教
長倉洋樹 Nagakura Hiroki Postdoctoral Scholar, California Institute of Technology
朝比奈雄太 Yuta Ashina 京都大学基礎物理学研究所/国立天文台 特任研究員

将来の展望:10年後以降

  • 奇パリティ核力・ハイペロン力とスピン軌道力、およびバリオン3体力の計算を実現します。
  • 重元素合成計算や核変換技術に必要な原子核構造・核反応データの取得が進み、核変換技術への応用が進展します。
  • 観測的に多様性が示されている超新星爆発現象の再現、中性子星連星の合体過程の定量的理解、大型望遠鏡による観測結果との直接比較を行います。