目標

計算科学による素粒子・原子核・宇宙物理分野の最終的な目的は、3分野にわたる物質創成史の解明です。スーパーコンピュータによる大規模計算を行い、素粒子から宇宙まで桁違いのスケールにまたがる現象の精密計算を実現。大型実験・観測データと組み合わせて、物質創成史の解明を目指します。
その実現のため本プロジェクト、ポスト「京」重点課題(9)は、2020年頃から始まるポスト「京」運用に向けて、素粒子標準模型の検証、超弦理論の探求、素粒子間相互作用の決定、重い原子核構造の決定、爆発的天体現象、宇宙進化の謎の解明を可能にするシミュレーションコードの開発を行います。5年後、10年後には、宇宙の基本法則と進化に関する人類の理解が格段に深化することが期待されます。

文部科学省 ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題(重点課題)(9)「宇宙の基本法則と進化の解明」

実施期間:
平成27年2 月~平成28年3月(調査・準備研究フェーズ)平成28年4 月~平成32年3月(本格実施フェーズ)
実施機関:
計算基礎科学連携拠点(代表:筑波大学計算科学研究センター)
重点課題責任者:
青木慎也(筑波大学客員教授/京都大学基礎物理学研究所教授)

素粒子・原子核・宇宙物理分野において、計算科学はすでに欠かせない研究手法となっています。実験・観測で得られたデータの解析、通常の理論では解が出せない現象の計算、実験ができない現象のシミュレーションなどを通じて、計算科学はこれらの分野の牽引役となっています。
計算基礎科学連携拠点(JICFuS)は、文部科学省HPCI戦略プログラム分野5「物質と宇宙の起源と構造」(平成27年度まで)において、量子色力学による核力計算、中性子星合体のシミュレーション、ダークマター密度揺らぎの生成などの研究を行ってきました。今後は、J-PARC、KAGRA、すばる、SuperKEKBなどの大規模実験・観測と連携した精密計算やデータ生成にも重点をおき、計算科学による素粒子・原子核・宇宙物理分野全体の発展に貢献していきます。