出始めた「京」による成果-第5回HPCI合同研究交流会

1月16日(水)に理化学研究所計算科学研究機構(AICS)で、第5回HPCI戦略プログラム合同研究交流会が開催されました。HPCI戦略プログラム5分野、グランドチャレンジ、AICSなどから講演者を含めて73人の参加がありました。

合同研究交流会は、戦略プログラム5分野が互いの研究開発について理解を深めると共に、共通の問題について情報交換を行い、実質的な分野交流の進展の機会を創出するために行っています。
第5回となる今回は、スーパーコンピュータ「京」の共用開始から4カ月が経ったことを受けて「京によるプロダクションラン」をキーワードとしました。計算科学研究機構(AICS)、グランドチャレンジ(ナノ、ライフ)、戦略5分野から11名の講演者が最新成果について発表しました。

国立天文台の滝脇知也特任助教

戦略分野5からは、国立天文台の滝脇 知也(たきわき・ともや)特任助教が「ニュートリノ加熱による超新星爆発シミュレーション」と題した講演を行い、以下の3点の成果を報告しました。(1)自然な3次元の対流と6種類のニュートリノを考慮したシミュレーションを「京」で行い、太陽の11.2倍の星でという条件付きではあるものの、超新星爆発が成功した。(2)この爆発の衝撃波は、初期の小さな条件の違いに鋭敏に反応してその形状を変える。さらに(3)星の回転を考慮することで、観測結果を説明できそうな値まで爆発エネルギーが上がった。滝脇特任助教によると特に最後の成果は、これまで予想されていなかった驚くべき結果とのことでした。

他に、戦略分野4ものづくりの流体シミュレーションの結果が、分野5の銀河の回転で現れる現象に似ているかもしれないといった議論がされるなど、情報共有が進みました。戦略分野3地球変動予測の報告では、余談として、1/14に東日本を襲った大雪に関する解説もありました。

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