異分野間の議論が深まる-量子多体問題に関する国際ワークショップ

2013年2月12日(火)~16日(土)の5日間、理化学研究所にて国際ワークショップ“Computational approaches to nuclear many-body problems and related quantum systems”が開かれました。参加者は26名。核子多体系と冷却原子系に関する活発な議論が行われ、盛況のうちに幕を閉じました。

初日は、Piotr Magierski・ワルシャワ工科大学教授の冷却原子、特にユニタリー極限に対応する希薄原子系に対する格子計算に関するセミナーがあり、午後に関連するインフォーマルな議論を行いました。
2日目は、清水良文・九州大学准教授によるPaffian formを利用した新しい射影・配位混合計算、Michael G. Endres・理化学研究所国際特別研究員による2次元ユニタリー気体の格子計算に関するセミナーがあり、午後には、鷲山広平・理化学研究所研究員が配位混合計算に必要な正則化方法に関する短い講演と関連する議論を行いました。
3日目には、中田 仁・千葉大学教授によるモンテカルロ殻模型計算、吉田賢市・新潟大学助教による変形核の準粒子乱雑位相近似計算のセミナーがあり、午後にYing Zhang・新潟大学助教による準粒子状態の漸近的振舞いに関する短い講演、およびモンテカルロ手法に関する議論を行いました。
4日目には、松尾正之・新潟大学教授の核超流動、段下一平・京都大学助教による多体系の実時間発展計算の手法についてのセミナー、午後に櫻井鉄也・筑波大学教授などを交えて大行列対角化についての議論を行いました。
最終日には、時間依存密度汎関数に基づく実時間発展計算に関して、物性系の矢花一浩・筑波大学教授、および原子・原子核系のP. Magierski氏のセミナーがあり、午後に江幡修一郎・東京大学研究員、関澤一之・筑波大学大学院生の短い講演と関連する議論を行いました。インフォーマルな雰囲気のもと、異分野の研究者同士の議論を行うことができ、非常に有益でした。

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