開催報告:CfCA流体学校

2019年2月19日から21日の3日間にわたり、講師に岡本崇氏(北海道大学)と斎藤貴之氏(神戸大学)をお招きして「2018年度流体学校 mesh-free法コードGIZMOとSPH法コードASURAで学ぶ数値流体力学」を国立天文台において開催しました。受講者数は33名であり、学部学生から大学院生、大学教員と非常に幅広い層の方々の参加がありました。

講義は、初学者も想定して、オイラー微分とラグランジュ微分の違いや流体力学の基礎方程式の説明から始まり、数値流体力学の基礎に対する理解を深めた上で実習に用いるSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法やmesh-free法の解説が行われました。今回の流体学校は、各種計算法の違いの解説や可視化されたデータの比較を通じて、手法ごとの特徴や利点などを深く理解することができたと参加者にも大変好評でした。

実習では公開コードであるmesh-free法コード GIZMOと講師の斎藤氏により開発されたSPH法コード ASURAを利用し、天文シミュレーションプロジェクトが運用するCray XC50「アテルイⅡ」を用いてシミュレーション演習を行いました。衝撃波管問題など講義で学んだ知識を活かしてシミュレーションを行い可視化をすることにより、講義内容や自ら行ったシミュレーションに対しての理解を深めました。

意欲的な参加者は用意された実習をこなした後に自ら初期条件を設定してシミュレーションを実行するなど、自身の研究への応用にただちに取り組む参加者も見られました。また、流体学校終了後に本講習会で学んだ知識を活かしてアテルイⅡへの利用申請が提出されているそうで、流体学校は数値シミュレーション研究の裾野の拡大に貢献していると言えるでしょう。

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