科学に親しんだ2日間-科学技術週間 戦略分野5関連の一般公開

東京大学原子核科学研究センター理論グループの報告を追記(2015.4.27)

第56回科学技術週間(4/13~19)期間中の2015年4月17日(金)、18日(土)に、HPCI戦略プログラム分野5に関係する大学・機関で一般公開が行われました。落雷により交通機関の遅延があったりするなか、多くの方に来場いただきました。

4/17(金)、18(土)高エネルギー加速器研究機構(KEK)施設公開

 カードゲームをアプリ化した『クォーク・カード・ディーラー(Quark Card Dealer)』ウエブ版。こちらからプレイしてみよう!

カードゲームをアプリ化した『クォーク・カード・ディーラー(Quark Card Dealer)』ウエブ版。こちらからプレイしてみよう!

量子色力学カードゲーム『クォーク・カード・ディーラー(Quark Card Dealer)』ウエブ版を出展しました。2日間で126人が来場し、友達や家族と『QCD』ウエブ版を大いに楽しみました。KEK施設公開全体の来場者は約450人でした。
通算来場者1万人を達成したカードゲーム『QCD』。そのウエブ版がKEKに登場しました。ウエブ版では、配られた5枚のクォークカードから3枚を組み合わせ、バリオンカードをゲットしていきます。18枚のバリオンカードをゲットするとNORMALモードクリア。その場でカード版サンプルをプレゼントしました。
ルールがわからずおそるおそるタッチパネルを操作する大人から、夢中でパネルを連打する高校生、わけもわからずバリオンカードをゲットしていく幼児まで、多くの方が楽しみました。
※実際のゲームでは、続けてHARDモードに突入できます。ぜひお試しください。

来場者の中には、自分で素粒子カードを作ろうと計画していた男子小学生がいたり、専門家もびっくりの質問をする女子中学生が現れたりしました。質問は、Σ0とΛ0の違いは何か、クォークのスピンを区別していないのか、といったものでした。
17日(金)には、神奈川県からはるばるやってきた学部生2人が、雷による交通機関の遅延でKEK内を巡る見学バスに乗り遅れてしまうということがありました。KEK橋本省二教授の著書『質量はどのように生まれるのか』を読んで理工学部に進んだとのこと。その話を聞いた橋本教授の厚意により、短いながらも対談が実現。大満足の様子で帰って行きました。

4/18(土)筑波大学計算科学研究センター一般公開

「スーパーコンピュータを見に行こう!」を行いました。12:30~17:00の見学時間の間に、66名の方(うち高校生以下の青少年26名)にお越しいただきました。
40分間のツアーでは、まず計算科学とスーパーコンピュータについて説明をした後、川島英之講師(高性能計算システム研究部門)の解説とともに「HA-PACS」を見学していただきました。音と台数の迫力に盛り上がっていた方もいれば、「思っていたよりも小さかった」という感想もありました。
見学ツアーの後半では、稲垣祐司准教授(生命科学研究部門)による分子進化分野の研究紹介です。圧力温度が特殊な環境のみならず、筑波大学のキャンパス内でも新種の微生物が見つけられています。「生物の研究にスパコンが使われているなんて知らなかった!」という声も聞かれました。

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4/18(土)理化学研究所(和光)一般公開

研究者がカードを使って素粒子の世界を解説しました。

研究者がカードを使って素粒子の世界を解説しました。

仁科加速器研究センター(センター独自のチラシ)の初田量子ハドロン物理学研究室が「素粒子・原子核と宇宙」と題した出展を行いました。来場者は約600人。小中学生から退職された方まで幅広くお越しいただきました。
ミクロの素粒子からマクロの宇宙まで、現代理論物理学の最前線をパネルとビデオを用いて解説する一方、量子色力学カードゲーム『クォーク・カード・ディーラー』のサンプルを配布。用意した300セットすべてを配り切りました。来場者からは、「中性子は寿命15分と書いてあるのに、原子核が壊れないのはなぜですか?」「どうして対称性が破れたら軽い粒子が出るんですか?」といった素朴で、しかし簡単に答えるのが難しい質問が多く出て、説明員みんなで頭をフル回転させて答えました。

4/18(土)理化学研究所(和光)一般公開

東京大学原子核科学研究センター

来訪者からの質問にていねいに答えます。

東京大学原子核科学研究センターの理論グループがパネルポスターの展示を行い、研究内容の紹介を行いました。高校生、学部生、年配の方を中心におよそ300人の方が来訪されました。

パネルの説明では、原子核の大きさなどごく基本的な内容から入り、徐々に殻模型やスーパーコンピュータ「京」での大規模計算といった専門的な内容を紹介していきました。来訪者は熱心に説明に聞き入り、原子核が多様な形を取ること、また計算機上でそれらが予言できることについて感心している様子でした。
高校生や学部生の中には物理学を志望している方もおり、時々突っ込んだ質問が寄せられました。年配の方からは、普段の研究生活の様子などを聞かれたり、研究がんばってくださいといった励ましの言葉をいただいたりしました。

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