後半突入を見据えて加速する研究-素粒子・原子核・宇宙「京からポスト京に向けて」シンポジウム

2017年12月28日(木)、筑波大学東京キャンパスにて、素粒子・原子核・宇宙「京からポスト京に向けて」シンポジウムを開催しました。参加者は61名でした。折り返し地点を迎えたポスト「京」重点課題9。これまで2年間のアプリ開発・研究の成果と、進み具合を加味した残り2年間の方針について21講演があり、活発な議論がされました。

開会のあいさつの後、3つのサブ課題のハイライトセッションが行われました。


サブ課題Aの報告をするKEK橋本省二教授

サブ課題B原子核構造・反応グループでは、モンテカルロ殻模型での中重核の構造計算が進んだことで、理研のRIBFなど実験グループから大量の引き合いが来るようになりました。その結果、2017年は論文を10本出版。うち4本がPRLに掲載され、エディターズサジェスチョンに選ばれた論文もありました(下記、関連リンク参照)。
同じくサブ課題Bの爆発的天体現象グループでは、8/17に連星中性子星合体が観測されたことにより研究が加速し(下記、関連リンク参照)、合体現象の物理の理解にシフトしつつ研究を進めていくと話しました。
サブ課題Cは、分野が近いポスト「京」萌芽的課題3(惑星)との連携を強めていくため、まず計算コードの共有から始めているとのことでした。

その後、各研究テーマの講演がありました。それぞれ研究は進展しており、引き続き進めていく一方、サブ課題間の連携、実験・観測との連携などを強く意識してプロジェクトを推進していくことを確認しました。

最後に重点課題9責任者の京都大学・青木慎也教授から「あと2年3か月、目標に向かってがんばりましょう。」と締めて、閉会となりました。

関連リンク
開催案内:素粒子・原子核・宇宙「京からポスト京に向けて」シンポジウム(12/28)
ウエブリリース:原子核が球から楕円体に変形する-スーパーコンピュータ「京」で理論的に明らかに
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