ポスト「京」で重力波の波形を予測する


全米科学財団と国際研究チームは2016年2月11日(米国東部時間)、人類史上初めて重力波を直接観測したと発表しました。重力波は宇宙観測の最後のフロンティアであり、初観測が達成された今後は、未知の宇宙現象の発見や、宇宙の謎の解明が大きく進展すると期待できます。

重力波の源は、今回観測された2つのブラックホールの合体や、2つの中性子星の合体です。重力波の研究には、観測・実験が必要なのはもちろんですが、実は理論研究と数値計算研究の協働が欠かせません。重力波を観測するためには、その波形をあらかじめ正確に予測しておく必要があるからです。

重力波の波形を予測するためには、一般相対性理論の基礎方程式であるアインシュタイン方程式や、流体力学方程式、輻射輸送方程式を、スーパーコンピュータを用いた大規模シミュレーションによって正確に解くことが求められます。

ポスト「京」重点課題9「宇宙の基本法則と進化の解明」の主要なテーマの1つに、重力波に関するものがあります。中性子星やブラックホールが合体する現象を大規模シミュレーションにより解き明かし、合体時に発生する重力波および電磁波に対する理論的予測を与えて、重力波の観測効率を向上させます。それにより「重力波天文学」の発展に貢献していきます。

柴田 大・京都大学基礎物理学研究所教授
2016年2月12日

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