着実に進展する素粒子原子核の研究-Lattice2015

2015年7月14日(火)~18日(土)に神戸コンベンションセンターにて、第33回格子場の理論国際会議「Lattice2015」が開催されました。世界中から376名の研究者が参加しました。

会議では、量子色力学(QCD)相図の解明に向けた有限温度・密度系の研究が数多く報告されました。また、異常磁気能率など、これまで計算が難しいとされていた物理量を計算する手法が改良され、素粒子標準理論の検証が大きく進展すると期待されます。同時に、標準理論を超えた模型のシミュレーションも着実に進んでいることがわかりました。ほかに、バリオンの内部構造やバリオン間相互作用に関する成果が報告され、第一原理に基づいたハドロン・原子核物理学への応用にも進展がみられました。
次回のLattice2016は、7月に英サウサンプトンで開催される予定です。

lattice2015計算基礎科学連携拠点は、Lattice2015の参加者全員に、量子色力学カードゲーム『Quark Card Dealer』のサンプルを配布しました。また、ポスターセッションに参加している研究者を対象にカードゲーム大会を開催しました。カードゲームのブースを準備している最中にも、外国人研究者から質問やサンプルカードの問い合わせが相次ぎました。20~30人の研究者が『Quark Card Dealer』にチャレンジし、半数近くがコンプリート(ゲーム・クリア)していきました。
受付で配られたカードを外国人研究者同士で交換している姿が見られたり、講演の中で「私のカードだ」とばかりにHダイバリオンを見せびらかす場面がみられるなど、好評でした。

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