戦略プログラムから重点課題へ-素粒子・原子核・宇宙「京からポスト京に向けて」シンポジウム

2日目の重点課題9全体セッションの様子

2日目の重点課題9全体セッションの様子

2015年3月11日(水)~12日(木)に紀尾井フォーラムにて、素粒子・原子核・宇宙「京からポスト京に向けて」シンポジウムが開かれました。参加者は計71名(初日70名、2日目64名)でした。
このシンポジウムは毎年3月頃に行っており、これまではHPCI戦略プログラム分野5の研究成果を中心に議論してきました。今年度は新たにポスト「京」重点課題(9)が始まったため、初日を戦略プログラム、2日目は重点課題をテーマにしての実施となりました。

1日目のHPCI戦略プログラム分野5成果発表の様子

1日目のHPCI戦略プログラム分野5成果発表の様子

初日は小柳義夫・HPCI戦略プログラム分野マネージャからの挨拶のあと、文部科学省計算科学技術推進室長の川口悦生氏より基調講演がありました。我が国における計算科学・計算機科学の現在の取り組みと、次世代のプロジェクト「フラッグシップ2020」に関して政府方針を中心に話題が提供されました。
その後は、HPCI戦略プログラム分野5「物質と宇宙の起源と構造」に関する19件の講演と議論が行われました。最終の2015年度を目前に研究はほぼ順調に進んでおり、格子QCD、原子核物性、超新星爆発とブラックホール、第1世代天体形成など各研究開発課題は、当初計画を達成できる見込みです。戦略プログラムの特徴でもあった体制構築は、これまでの成果とともに反省点もあげられました。どちらも、最後の1年間でさらなる成果を目指します。
夜には交流会があり、引き続き議論などが行われました。途中、超新星爆発が疑われる星が見えたとの連絡が入り、前兆がなかったため可能性はないと思いながらも天文学者としてどう対処するかで活発な議論が繰り広げられました(交流会後に、金星の誤認とわかりました)。

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それぞれの講演には活発な質問が寄せられた

2日目は、ポスト「京」重点課題(9)「宇宙の基本法則と進化の解明」に関して10件の講演がありました。今年度と来年度は調査・準備研究期間にあたり、3つのサブ課題から、現時点でのプロジェクト推進計画やサイエンスに関する報告がありました。
戦略分野5からの発展を目指すサブ課題B「物質創成史の解明と物質変換」の方針はほぼ定まっており、あとは詳細を詰めつつ実施していく段階とのことです。新規テーマとなるサブ課題A「究極の自然法則と宇宙開闢の解明」とサブ課題C「大規模数値計算と広域宇宙観測データの融合による宇宙進化の解明」は、サイエンスの目標をより明確にすることと、実施体制について早急に議論し、2016年度からの本格実施に備えることとしました。

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